1周年特別企画『おてもと龍を探せ!』


私立英香学園生徒会。

学園の中でも特に優秀な生徒たちの集団であり、
役員が学園の明日の為に会議を重ねる場所が、
ここ、生徒会室である。

というのが通常、理想の紹介なのだろうが―…。

実際は、
優秀さよりも個性が際立つ生徒たちが集まっている溜まり場、
という表現の方がこの英香学園生徒会においては的確だった。

今日は定例の生徒会会議の日。
会議が始まる前とは言え、「生徒会」と聞いてイメージする談笑の図よりも騒がしすぎる室内だ。
どうやら普段会議を仕切っている生徒会長と副生徒会長は不在らしい。
先に集まったメンバーが各々自由に過ごしている。

「りゅーくん、何作ってるのー?」
「あ、お手元龍です。」
「あ!噂のお手元龍だね!」
「…お手元龍って…なに?」

不思議そうに覗き込んでいるのは二年の一条古貴、三年の橘悠仁、高郷惶李。
一年の鬼頭龍明の手元には購買の弁当に付いてくる割り箸の箸袋があった。
箸を取り出すために裂いたそれが、バナナの皮を剥いた時のように大きく口を開けている。

メンバー唯一の一年生は、みんなの視線を受けながら、
箸袋に赤いインクの筆記具で目、鼻、角を書いて龍の顔を書いてみせた。

「完成です!」
箸袋の裂かれていた部分は口となり、龍を模したものが龍明の手に握られている。
「インクがまだ乾いてないみたいだから、乾かしてこよー…あ!」
古貴が先程完成したお手元龍を手に窓に近付いて行くと、突風により窓の外へ飛ばされてしまった。
「あ!お手元龍が!」
「た、助けに行かないと!」
「じゃあ、オレこっちから行くよ!」
「よし、任せた」

四人はお手元龍を探しに、生徒会室を飛び出していく。

■あなたはどうしますか?■
→「とりあえず、校庭へ行ってみよう」
→「校舎から追いかけてみよう」


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